July 22, 2008

V for Vendetta

Vフォー・ヴェンデッタ

V for Vendetta

連休中に(私的に)いちばん期待の新作『スピード・レーサー』を見に行くつもりだったのが行かれなかったので、代わりにTSUTAYAで、同じくウォシャウスキー兄弟が脚本を手がけた『Vフォー・ヴェンデッタ』を借りることにした。
あまり劇場公開時に話題になっていた印象もなく(それでも『スピード・レーサー』よりはテレビCMもやってたような気がするけど、考えてみれば『Vフォー・ヴェンデッタ』がポシャったからなのかも)、確かナタリー・ポートマンが坊主になってたっていうのをぼんやりと覚えてるだけで、それ以外はパッケージのあらすじすら読まずに何の前知識もなく見始めたところ、それが功を奏したのか、結果期待以上に楽しめた。

まずオープニングに出てきた "DC Comics" のロゴでぴーんと背筋が伸びたりして。
これってアメコミものじゃん!それすらも知らなかったとは…。
仮面の騎士ってことだけは知ってたから、勝手に『マスク・オブ・ゾロ』的なものを想像していて、それが理由で今の今まで遠ざかってたようなものだったから先入観って恐ろしい!
でも嬉しい誤算。

物語を要約すると、舞台は独裁者が支配する全体主義国家となった英国で、時代は近未来、第三次世界大戦の後。イギリス国民にもはや自由はなく、テレビ放送は政府に統制され、夜には外出禁止時間があり、街では覆面の秘密警察が幅をきかせ、逆らう者や社会のマイノリティとされる者は容赦なく抹殺されるような体制の中、"V"と名乗る仮面の男が突如現れ英国独裁政府を転覆しようと、裁判所を爆破したり国営テレビ放送をジャックしたりなど過激な活動を開始した。
ナタリー・ポートマン扮するイヴィーは、たまたま外出禁止時間帯に街を歩いているところを秘密警察に見つかり、危うく命の危険に晒されていたところをVに助けられるところから物語が始まる。
いくつかの偶然が重なってイヴィーはVの工作活動に巻き込まれてゆき、やがて自らも現在の全体主義体制に抱いていた疑問をはっきりと自覚するようになる。次第にVとイヴィーは惹かれ合うが、Vにはアナーキストとしてのその正体よりも重大な秘密があり、それゆえにイヴィーの愛を受け入れることはできないのだった。
そして革命の日は逆らえない大きな流れとなって刻一刻と近づく…。

こんなにドラマチックな映画は見たことがない。
終始演劇的な台詞や演技のせいもあるけど、復讐に燃えるVはもちろん、そのVと出会ったことにより一転して国家反逆者として追われる身となるイヴィーや、アナーキストVの正体を突き止めて捕まえようとするフィンチ警視など、それぞれにドラマが溢れていて、それらが複雑に絡み合ってストーリーを構成しているせいなのかなと。
フィンチ警視がVの正体を突き止めようと捜査を進めるうちに、現政権を握る要人達の隠蔽された過去が明らかになっていく展開には刑事サスペンスを見てるようでドキドキしたし、そこへもって、反逆者として追われながらも革命に目覚め成長するイヴィーと復讐鬼Vのプラトニックな切ない関係がもう心に染みるったらなかった。

そして何よりV!!か、カッコよかった、、、(*´д`*)
あの仮面がどうにも滑稽なのにも関わらずっ!
ちょーシリアス!
ちょーインテリジェント!!
そしてちょージェントルマン!!!
素顔を出さなくともここまでVを魅力的な人物にできたのは、ひとえにヒューゴ・ウィーヴィングの演技力と彼自身の魅力が成せたわざではないでしょうか。
個人的にヒューゴ・ウィーヴィングは全く好みじゃないけど、Vは別。顔なんか見えなくても良い!ほんとかっこよかった。
まさに今までにないヒーローのカタチ。DC Comicsらしいダークでシリアスな主人公。
舞台セットや小道具に関する細かい演出もよく練られていたと思う。こうゆうのってかなり重要なポイント。Vのアジト、特にイヴィーが目覚めた寝室のシーンはすごく良かった。

結構酷評が多いようだけど、これはあくまでコミック原作の映画。
いや、原作はもちろん考え抜かれたプロットの上に作られた作品だとは思うけど、コミックがモーションピクチャになる時、何を求めるかによって評価は別れる。
ワタシが求めるのは視覚と聴覚からハマれる世界。ストーリーの細密さは二の次で、それは小説に求めれば良い。
そして『Vフォー・ヴェンデッタ』の世界には文句なしに惹き込まれた。

それにしても『コンスタンティン』といい、『Vフォー・ヴェンデッタ』といい、気に入ったアメコミ映画版は人気出ませんね。。。コミック読んでないから受け入れられた部分あるのか。
でも映画になった時点でもう別物なんだし。LOTRとかハリー・ポッターみたいに原作に忠実に再現とかって謳ってるわけじゃなし。
映画としてのオリジナリティって点では両方とも合格だと思うのにな。

投稿者 elektr0pank : 2008年07月22日 00:43

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